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歯科コラム

どうして歯が動かせる!?歯列矯正のメカニズム

矯正歯科
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歯列矯正を行うことで、歯の位置を動かして歯並びをキレイにすることができます。

しかし、なぜあんなに固くて固定されている歯が、歯列矯正をすることで動かせてしまうのでしょうか。

今回は歯列矯正で歯が動くメカニズムについて紹介していきます。

 

歯はどのようにできている?

まずは歯の周りの組織についてご説明します。

私たちが物を噛むために使用する「歯」は、顎の骨から生えてきています。

表面はエナメル質などの極めて固い組織で形成されており、根元にいくとセメント質など、やや固めの組織となっています。

続いて歯肉内の根元部分では「歯根膜」と呼ばれるクッションのような組織が歯を覆っています。

そしてその歯根膜は、さらに「歯槽骨」と呼ばれる骨に覆われています。

歯、歯根膜、歯槽骨という3層構造により、歯は固定されているのです。

 

歯が動くメカニズム

歯列矯正によって歯が動くのは、歯根膜と歯槽骨が動くからです。

歯根膜と歯槽骨というのは一定の力を加え続けることで、少しずつ左右にズレていくのです。

正確に説明するならば、たとえば右側に力を加えた場合、力が加わった側の歯根膜と歯槽骨の間に「骨芽細胞」が生成され、新たな骨が作られていきます。

その際に反対の左側では「破骨細胞」が生成され、骨を食べ減らしてきます。

これらの作用によって、歯の位置がズレていき、新たな位置で歯が固定されていくわけなのです。

 

歯列矯正のメカニズム

歯というのは、単純に強く指で押しただけで動くようなものではありません。

歯を動かすためには、一定量の力を継続的に加え続けていく必要があり、そうすることで骨芽細胞や破骨細胞が生成されて、自然に歯が動いていくのです。

そしてそれを人為的に実現させるために使用するのが「矯正器具」です。

矯正器具は歯を動かすのに最適な力を、継続的に加え続けてくれます。

これにより本来は動かせない歯を、人為的に動かせるわけなのです。

なお毎日矯正器具を装着した場合、歯は1ヶ月で0.3mm程度動きます。

一般的な歯列矯正では、おおむね2~3cmは歯を動かす必要がありますので、単純計算で少なくとも半年~1年は矯正器具を装着しなければならないというわけです。

このように歯というのは、一定量の力を加え続けることによって、身体本来の機能に沿って自然と動いてきます。

マウスピースなどの器具は歯を動かすために作られた道具なので、それを使用することによって無理なく綺麗に歯を動かすことができるのです。

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この記事の監修者
水上歯科クリニック
院長 水上哲也
略歴
1985年 九州大学歯学部卒業
1987年 九州大学第1補綴学教室文部教官助手
1989年 西原デンタルクリニック勤務
1992年 福岡県福津市(旧宗像郡)にて開業
2005年 久留米大学医学部にて学位取得(医学博士号)
2007年 九州大学歯学部臨床教授
2011年 鹿児島大学歯学部非常勤講師
所属学会・認定医
日本臨床歯周病学会 認定医
日本歯周病学会 指導医・専門医
日本顎咬合学会 指導医
近未来オステオインプラント学会 指導医
日本審美歯科協会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本補綴歯科学会 会員
米国歯周病学会(AAP)会員
米国インプラント学会(AO)会員
京セラメディカルインストラクター
Japan United Colleagues(JUC) 名誉会長 OJ相談役

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