インプラントが動く?考えられる原因と対処方法
インプラント
「インプラント」とは、歯を失った部分の骨に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、新しい歯を作っていくという歯科の治療方法です。
ブリッジや入れ歯と比べるとメリットも多いため、最近ではインプラントを希望する方も増えています。
ただ、「手術後にインプラントが動いた」という体験談を聞き、不安になったという方もいるかもしれません。
今回は、インプラントが動く場合に考えられる原因や対処方法について紹介します。
原因1. インプラントの被せものが揺れている
インプラント治療は骨と歯を固定し繋げているため、「動く」ことはあまりありません。
インプラントの歯が動いたと不安に感じる方は多いですが、確認してもらうと実はインプラントの被せものが揺れているというケースが多くみられます。
インプラントは骨に強い力がかかり続けないよう、被せものとインプラントをネジでつないでいるため、被せものが揺れることは珍しくないのです。
しかし、もし被せものではなくインプラント自体が根本から動いている場合は、インプラントそのものに不具合が生じている可能性が高くなります。
● 対処方法
インプラントの被せものが揺れている場合、噛み合わせの問題がないのならば、そのままの状態でも問題が起こる可能性は低いでしょう。
そのままネジが緩み被せものが外れてしまっても、そのタイミングで付け直すという対応が取られる場合がほとんどです。
どうしても揺れが気になる場合は、被せものを外し新しいものに変えることもできるので担当の医師に相談してみると良いでしょう。
しかし、もしインプラント本体が動いている場合はやり直す必要があります。
治療を受けた医院にて無償で再治療を受けられる可能性があるため、一度医院に確認してみましょう。
原因2. インプラント歯周炎
インプラントの周辺が腫れたり炎症を起こした場合、それが長く続いてしまうとインプラントが抜けてしまうことがあります。
これは「インプラント歯周炎」と呼ばれ、歯周病と同じ原理でインプラントを失ってしまいます。
● 対処方法
インプラント歯周炎を防ぐためには、毎日の丁寧なブラッシングと定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
心配ないと思っても、必ず定期検診を受けるよう心がけましょう。
もしインプラントが抜けてしまった場合は、骨が残っていれば再度インプラントを入れる処置を行うことも可能です。
原因3.歯ぎしりや食いしばり・噛み合わせの調整不足
インプラントは骨と直接つながっているため緩衝する所がなく、噛むことで強い力がインプラントに加わります。
そのため、強い歯ぎしりや食いしばりを無意識に行っていたり噛み合わせが合っていない場合には、インプラントが揺れてしまうこともあります。
多少の揺れならば調整で戻る可能性もありますが、抜けてしまうと治療が必要です。
● 対処方法
噛み合わせの調整不足はインプラントへの負担を非常に大きくしてしまうため、何度か噛み合わせを調節していくことが大切です。
またインプラント手術後は様子を見て定期検診に行き、歯ぎしりや食いしばりをしていないか見てもらうことも重要です。
定期的なメンテナンスや毎日の歯磨きをきちんとしていれば、インプラントによる不快感は少ないでしょう。
気になる場合は放置せず、すぐに医師に相談すると早い解決につながりますよ。
1987年 九州大学第1補綴学教室文部教官助手
1989年 西原デンタルクリニック勤務
1992年 福岡県福津市(旧宗像郡)にて開業
2005年 久留米大学医学部にて学位取得(医学博士号)
2007年 九州大学歯学部臨床教授
2011年 鹿児島大学歯学部非常勤講師
日本歯周病学会 指導医・専門医
日本顎咬合学会 指導医
近未来オステオインプラント学会 指導医
日本審美歯科協会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本補綴歯科学会 会員
米国歯周病学会(AAP)会員
米国インプラント学会(AO)会員
京セラメディカルインストラクター
Japan United Colleagues(JUC) 名誉会長 OJ相談役


