インプラントのお手入れ・術後のケアを解説!プロのメンテナンスについてや長持ちのコツも
インプラント
失った歯を補うための治療法のひとつとして、有効なインプラント。
近年では、入れ歯の代わりにインプラント治療を受けている人もいるのではないでしょうか。
インプラントは、簡単に言ってしまえば人工歯根埋め込み治療ということになりますが、手術を受けたら終わりというわけではありません。
少しでも長く使うためには、正しく手入れをする必要があるのです。
そこで今回は、インプラントの適切なケア方法についてご紹介していきます。
長持ちさせるコツなども合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
お手入れでインプラントの寿命は伸びる

失った歯をきれいに補うためのインプラントは、いわば人工歯根です。
天然歯とは異なるため、長持ちさせるにはより丁寧に手入れをしなければなりません。
天然歯と同様に飲食によってプラークが蓄積しますが、インプラントの周囲は細菌の温床となりやすいこともあり放置すれば歯周病に似たインプラント周囲炎を起こす可能性もあります。
インプラント周囲炎は進行すればインプラントの脱落・あごの骨を溶かす原因にもなるでしょう。
せっかくインプラント治療を受けても、正しく手入れをしなかったために、更に歯を失う事態にもなりかねないのです。
毎日のセルフケアやプロによるメンテナンスを怠らず、インプラントを長く保っていきましょう。
インプラントの正しいお手入れ方法
インプラントのお手入れで重要なのは、毎日の歯磨き・歯間の清掃により、口腔内を清潔に保つということです。
毎日の正しいお手入れのコツをご紹介していきます。
歯磨きでのセルフケア
まずは、歯磨きです。
インプラント部分はもちろん、口腔内全体を丁寧に磨き、清潔な状態を保ちましょう。
歯磨きで特に重要なポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
- 歯ブラシは柔らかいものを使用し、歯茎を傷つけないようにする
- 歯はもちろん、歯と歯肉の境目をより丁寧に磨く
- インプラントの接合部分には特に注意して磨く
より正しくブラッシングを行うために、歯科などで正しい歯磨き方法を聞いておきましょう。
通常の歯ブラシよりも短時間で効果的にクリーニングが行えるため、正しい使い方で電動歯ブラシを導入するのもおすすめです。
歯ブラシ以外の清掃器具の使用
歯ブラシ以外にも、歯と歯の間をより綺麗にできるデンタルフロスや水を使ったお手入れができるウォーターピックなど、様々な清掃器具を活用するのがおすすめです。
歯の隙間は、普通の歯ブラシだけではしっかり磨けない場合もあるでしょう。
歯間ブラシやフロス、ウォーターピックなどを利用すれば、歯と歯の隙間を効率的に清掃することが可能です。
また、複数のインプラントがあり、連結されているという場合には、スーパーフロスを使用しましょう。
連結している場合、通常のデンタルフロスを歯と歯の間に通すのは難しくなるでしょう。
スーパーフロスは細い糸の部分とスポンジのような太めの部分で構成されており、人工歯の下を通すことで清掃が可能です。
歯科での定期メンテナンスは必須!

インプラントを少しでも長く使おうとしたら、日頃からの手入れも欠かせませんが、歯科に定期的に通って余計な歯垢や歯石が無いかをチェックしてもらうことも重要です。
自分で100%汚れを落とし切るというのは難しいため、プロによるクリーニングを行ってもらいましょう。
また、噛みあわせチェックをしてもらうことで、インプラントがしっかりと安定しているのかも定期的に確認してもらいましょう。
「インプラント治療を受けたからもう安心」と油断していると、歯周病になってしまい残っている歯もダメになる可能性が高くなります。
メンテナンスの頻度としては、通常であれば3ヶ月に1回程度、歯周病や持病などで不安がある場合には1ヶ月に1回など頻度を高めましょう。
長期間メンテナンスを行わず放置してしまい、インプラント周囲炎などが起こってからの治療になれば、治療の負担も費用負担も大きくなってしまう可能性があります。
インプラント手術後のケアは?
インプラント手術を行った場合には、直後のケアにも注意することが重要です。
まず、手術直後〜2日程度は、インプラント以外の歯は通常通り磨いても良いですが、インプラント部分は触らないようそっとしておきましょう。
傷口部分には血の塊ができますが、止血など歯茎の治りに重要なものですので、数日間は指や歯ブラシなどで刺激してしまわないよう注意が必要です。
また、3日目~抜歯までは、歯茎の縫い糸に汚れが付着しないよう、うがいを念入りにしたり、ブラシでやさしく汚れを落とすことが大切です。
インプラントを長持ちさせるコツ
インプラント周囲炎などを予防し、インプラントをより長持ちさせるのには、歯ブラシなどのケア以外にもいくつかのポイントがあります。
インプラントを長持ちさせるコツとして、以下のポイントも押さえておきましょう。
- 煙草を吸わない
- 歯だけでなく全身の健康管理に注意する
- かみ合わせのコントロールを行う
- 食生活に注意する
まずは、歯周病のリスクが高まりやすい煙草を吸わないということですね。
また、インプラントは強く力がかかると骨にダメージがかかってしまいます。
寝ているときに強い歯ぎしりをするクセがある人の場合、顎の骨に影響してインプラントが安定しなくなることもあるのです。
歯ぎしりをしてしまう人はマウスピースを入れるなど、かみ合わせの力もコントロールしていきましょう。
また、加齢などによって顎の骨が弱まってしまうと、同じようなことが起こる可能性があります。
このような事態を防ぐ場合も、マウスピースなどを使用して、顎への負担を軽減させることがポイントになります。
また、歯周病やインプラント周囲炎は、糖尿病などの全身疾患があると悪化しやすくなります。
寝る前の間食などは汚れが溜まりやすくなる原因にもなりますので、病気にかからないよう、食生活をはじめとして健康管理に気を配りましょう。
インプラントの不調のサイン

インプラントの不調があった場合には、すぐに診察を受けることが大切です。
- インプラント周囲からの出血・膿
- 歯茎の腫れ
- インプラントのぐらつき
- 被せものの欠損
などがあった場合には、直ちに歯科医院での診察を受けるようにしましょう。
結果的に大したことがなかったとしても、長く安定したインプラント環境を保つためには重要です。
また、もしもインプラント手術後に短期間で不調が起きた場合には、セカンドオピニオンを受けることも検討すると良いでしょう、
些細な症状でも不安があれば放置しない、ということが、口腔内の健康を守ることにつながります。
まとめ
今回は、インプラントをより長持ちさせ、健康な口腔環境を保つために重要な、日ごろのケアやメンテナンスの重要性、またより長持ちさせる生活習慣での注意点などをご紹介してきました。
毎日のお手入れを正しく行うためにも、メンテナンスにより健康を保つためにも、定期的に歯科医院に通うことがとても重要です。
歯科医師・歯科衛生士などによるブラッシングの指導なども積極的に受け、日ごろのケアからしっかりと行っていけると良いですね。
失った歯を補うための治療法のひとつとして、有効なインプラント。
近年では、入れ歯の代わりにインプラント治療を受けている人もいるのではないでしょうか。
インプラントは、簡単に言ってしまえば人工歯根埋め込み治療ということになりますが、手術を受けたら終わりというわけではありません。
少しでも長く使うためには、正しく手入れをする必要があるのです。
そこで今回は、インプラントの適切なケア方法についてご紹介していきます。
長持ちさせるコツなども合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
お手入れでインプラントの寿命は伸びる

失った歯をきれいに補うためのインプラントは、いわば人工歯根です。
天然歯とは異なるため、長持ちさせるにはより丁寧に手入れをしなければなりません。
天然歯と同様に飲食によってプラークが蓄積しますが、インプラントの周囲は細菌の温床となりやすいこともあり放置すれば歯周病に似たインプラント周囲炎を起こす可能性もあります。
インプラント周囲炎は進行すればインプラントの脱落・あごの骨を溶かす原因にもなるでしょう。
せっかくインプラント治療を受けても、正しく手入れをしなかったために、更に歯を失う事態にもなりかねないのです。
毎日のセルフケアやプロによるメンテナンスを怠らず、インプラントを長く保っていきましょう。
インプラントの正しいお手入れ方法
インプラントのお手入れで重要なのは、毎日の歯磨き・歯間の清掃により、口腔内を清潔に保つということです。
毎日の正しいお手入れのコツをご紹介していきます。
歯磨きでのセルフケア
まずは、歯磨きです。
インプラント部分はもちろん、口腔内全体を丁寧に磨き、清潔な状態を保ちましょう。
歯磨きで特に重要なポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
- 歯ブラシは柔らかいものを使用し、歯茎を傷つけないようにする
- 歯はもちろん、歯と歯肉の境目をより丁寧に磨く
- インプラントの接合部分には特に注意して磨く
より正しくブラッシングを行うために、歯科などで正しい歯磨き方法を聞いておきましょう。
通常の歯ブラシよりも短時間で効果的にクリーニングが行えるため、正しい使い方で電動歯ブラシを導入するのもおすすめです。
歯ブラシ以外の清掃器具の使用
歯ブラシ以外にも、歯と歯の間をより綺麗にできるデンタルフロスや水を使ったお手入れができるウォーターピックなど、様々な清掃器具を活用するのがおすすめです。
歯の隙間は、普通の歯ブラシだけではしっかり磨けない場合もあるでしょう。
歯間ブラシやフロス、ウォーターピックなどを利用すれば、歯と歯の隙間を効率的に清掃することが可能です。
また、複数のインプラントがあり、連結されているという場合には、スーパーフロスを使用しましょう。
連結している場合、通常のデンタルフロスを歯と歯の間に通すのは難しくなるでしょう。
スーパーフロスは細い糸の部分とスポンジのような太めの部分で構成されており、人工歯の下を通すことで清掃が可能です。
歯科での定期メンテナンスは必須!

インプラントを少しでも長く使おうとしたら、日頃からの手入れも欠かせませんが、歯科に定期的に通って余計な歯垢や歯石が無いかをチェックしてもらうことも重要です。
自分で100%汚れを落とし切るというのは難しいため、プロによるクリーニングを行ってもらいましょう。
また、噛みあわせチェックをしてもらうことで、インプラントがしっかりと安定しているのかも定期的に確認してもらいましょう。
「インプラント治療を受けたからもう安心」と油断していると、歯周病になってしまい残っている歯もダメになる可能性が高くなります。
メンテナンスの頻度としては、通常であれば3ヶ月に1回程度、歯周病や持病などで不安がある場合には1ヶ月に1回など頻度を高めましょう。
長期間メンテナンスを行わず放置してしまい、インプラント周囲炎などが起こってからの治療になれば、治療の負担も費用負担も大きくなってしまう可能性があります。
インプラント手術後のケアは?
インプラント手術を行った場合には、直後のケアにも注意することが重要です。
まず、手術直後〜2日程度は、インプラント以外の歯は通常通り磨いても良いですが、インプラント部分は触らないようそっとしておきましょう。
傷口部分には血の塊ができますが、止血など歯茎の治りに重要なものですので、数日間は指や歯ブラシなどで刺激してしまわないよう注意が必要です。
また、3日目~抜歯までは、歯茎の縫い糸に汚れが付着しないよう、うがいを念入りにしたり、ブラシでやさしく汚れを落とすことが大切です。
インプラントを長持ちさせるコツ
インプラント周囲炎などを予防し、インプラントをより長持ちさせるのには、歯ブラシなどのケア以外にもいくつかのポイントがあります。
インプラントを長持ちさせるコツとして、以下のポイントも押さえておきましょう。
- 煙草を吸わない
- 歯だけでなく全身の健康管理に注意する
- かみ合わせのコントロールを行う
- 食生活に注意する
まずは、歯周病のリスクが高まりやすい煙草を吸わないということですね。
また、インプラントは強く力がかかると骨にダメージがかかってしまいます。
寝ているときに強い歯ぎしりをするクセがある人の場合、顎の骨に影響してインプラントが安定しなくなることもあるのです。
歯ぎしりをしてしまう人はマウスピースを入れるなど、かみ合わせの力もコントロールしていきましょう。
また、加齢などによって顎の骨が弱まってしまうと、同じようなことが起こる可能性があります。
このような事態を防ぐ場合も、マウスピースなどを使用して、顎への負担を軽減させることがポイントになります。
また、歯周病やインプラント周囲炎は、糖尿病などの全身疾患があると悪化しやすくなります。
寝る前の間食などは汚れが溜まりやすくなる原因にもなりますので、病気にかからないよう、食生活をはじめとして健康管理に気を配りましょう。
インプラントの不調のサイン

インプラントの不調があった場合には、すぐに診察を受けることが大切です。
- インプラント周囲からの出血・膿
- 歯茎の腫れ
- インプラントのぐらつき
- 被せものの欠損
などがあった場合には、直ちに歯科医院での診察を受けるようにしましょう。
結果的に大したことがなかったとしても、長く安定したインプラント環境を保つためには重要です。
また、もしもインプラント手術後に短期間で不調が起きた場合には、セカンドオピニオンを受けることも検討すると良いでしょう、
些細な症状でも不安があれば放置しない、ということが、口腔内の健康を守ることにつながります。
まとめ
今回は、インプラントをより長持ちさせ、健康な口腔環境を保つために重要な、日ごろのケアやメンテナンスの重要性、またより長持ちさせる生活習慣での注意点などをご紹介してきました。
毎日のお手入れを正しく行うためにも、メンテナンスにより健康を保つためにも、定期的に歯科医院に通うことがとても重要です。
歯科医師・歯科衛生士などによるブラッシングの指導なども積極的に受け、日ごろのケアからしっかりと行っていけると良いですね。
1987年 九州大学第1補綴学教室文部教官助手
1989年 西原デンタルクリニック勤務
1992年 福岡県福津市(旧宗像郡)にて開業
2005年 久留米大学医学部にて学位取得(医学博士号)
2007年 九州大学歯学部臨床教授
2011年 鹿児島大学歯学部非常勤講師
日本歯周病学会 指導医・専門医
日本顎咬合学会 指導医
近未来オステオインプラント学会 指導医
日本審美歯科協会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本補綴歯科学会 会員
米国歯周病学会(AAP)会員
米国インプラント学会(AO)会員
京セラメディカルインストラクター
Japan United Colleagues(JUC) 名誉会長 OJ相談役


