インプラント治療の仮歯がもつ大切な役割とは?仮歯が取れてしまったら?
インプラント
インプラント治療で着ける「仮歯」は、物を噛みづらい、取れてしまうこともあるので、あまりいいイメージが無い方もいらっしゃるでしょう。
しかし仮歯にはインプラント治療ならではの大切な役割があります。
今回は仮歯の必要性やその役割、そしてインプラントの完成形を支える仮歯「プロビジョナルクラウン」についてご紹介します。
なぜ仮歯をする必要があるのか
インプラント治療で仮歯を必ず入れる理由は、歯がない状態で放置するデメリットが多いからです。
インプラント治療は、切開した歯茎を安定させたり骨に埋め込んだ基部の定着を待つ必要があるため、時間を確保してていねいに勧めていきます。
その間仮歯を入れないでいると、見た目や噛み合わせが気になるだけでなく、治療の妨げにもなってしまうことがあるのです。
インプラント治療で大切な仮歯の役割
●歯並びの歪みを抑え、「見た目」をよくする役割
長期間にわたるインプラント治療では、治療箇所の周りの歯並びを保つことが大切です。歯が抜けたまま放置すると、両隣の歯並びが乱れたり、上下の歯が飛び出てきてしまいます。仮歯を入れておけば、そうした歯並びの歪みを抑えることができます。また金属製のインプラントが見えないようにする、見た目をよくすることも仮歯の重要な役割です。
●細菌などから患部を保護する「蓋」の役割
口内には約1000億から6000憶個の細菌が生息しているといわれています。また食べ物を口にしたとき、歯には物を噛む負荷や熱、刺激がかかります。こうした細菌や刺激から治療中の患部を守る蓋の役割をするのが仮歯です。 本歯を支えるプロビジョナルクラウンの役割 治療の最終段階では、「プロビジョナルクラウン」という特別な仮歯を使います。データを元にして設計されるプロビジョナルは、細かい噛み合わせの調整が可能です。見た目をよくする詰め物としての「普通の仮歯」と混同されがちですが、長く快適に使えるインプラントを製作するために重要な役割を持っています。
●快適な本歯を作るための「テスト」の役割
プロビジョナルには、本歯を作る直前で噛み合わせの最終テストをする役割があります。微調整を繰り返すことで、より使いやすい完成形の本歯を作ることができます。レジン製の仮歯なので気になる部分を削るだけでなく、隙間や足りない部分盛り直すこともできるのです。
●歯茎を慣らす「歯茎のウォーミングアップ」の役割
チタン製のインプラントを迎える歯茎を慣らしておく役割もあります。歯茎をレジン製のプロビジョナルに慣らしておくことで、チタン製の本歯が持つ異物感になじみやすくなります。
食事の時などに気をつかう仮歯ですが、インプラント治療には欠かせない存在です。
仮歯があるおかげで安全に治療を勧めることができ、使い勝手のいい被せ物を作ることができます。
すこし不便な仮歯ですが、仮歯で得られるメリットを十分に活用して、快適なインプラントを作っていきましょう。
1987年 九州大学第1補綴学教室文部教官助手
1989年 西原デンタルクリニック勤務
1992年 福岡県福津市(旧宗像郡)にて開業
2005年 久留米大学医学部にて学位取得(医学博士号)
2007年 九州大学歯学部臨床教授
2011年 鹿児島大学歯学部非常勤講師
日本歯周病学会 指導医・専門医
日本顎咬合学会 指導医
近未来オステオインプラント学会 指導医
日本審美歯科協会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本補綴歯科学会 会員
米国歯周病学会(AAP)会員
米国インプラント学会(AO)会員
京セラメディカルインストラクター
Japan United Colleagues(JUC) 名誉会長 OJ相談役


