部分矯正にデメリットはある?治療前に知っておきたいポイントを解説
矯正歯科
部分矯正は費用や治療期間を抑えやすく、歯の治療において魅力的な選択肢です。しかし、歯を削る治療によるリスクや後戻りの可能性、対応できる範囲が限られているなどのデメリットがあります。
部分矯正を検討するならメリットだけではなく、デメリットも含めて正しく理解することが大切です。
本記事では、部分矯正のメリットとデメリットを含め、安全性や痛みの有無を丁寧に解説。部分矯正を検討する際の参考にしてください。
目次
部分矯正とは?

部分矯正とは、歯並び全体ではなく一部の歯に絞って行う矯正治療のことです。軽度の歯並びの乱れや前歯の隙間・ガタつきを改善する場合に適しています。矯正方法のなかでは、期間や費用を抑えられるのが特徴です。
全体矯正との違い
全体矯正は上下全ての歯を対象に、理想的な歯並びと噛み合わせを目指す治療です。全体を矯正するため期間は約2〜3年と長くなりやすい傾向があります。
全体矯正のメリットは、複雑な嚙み合わせの矯正や顎の問題も改善しやすい点です。部分矯正では難しい症例にも対応できるメリットがあります。
ただし、費用面は部分矯正と比べてかかりやすいのがデメリットです。装置の金額に加えて、長期間の治療やメンテナンス費用がかかることも考慮しなければなりません。
部分矯正の種類
部分矯正には複数の方法があり、症例や目的に応じて使い分けられます。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
- IPR(Interproximal Reduction)
部分矯正で代表的なのは、ワイヤー装置を用いる方法です。歯の前面に小さなブラケットを装着し、ワイヤーで歯を緩やかに動かします。
また、マウスピース型の部分矯正でを使うケースもあります。マウスピースは透明で目立ちにくく、取り外しも可能な点で人気です。
さらに、最近ではIPR(Interproximal Reduction)という処置が部分矯正で使われます。歯の間を削って動かすスペースをつくるため、抜歯を回避しながら歯を並べやすくなるのです。
どの方法が良いかは、自身の歯の状態やライフスタイルによって変わります。歯科医師との相談のもと、どの方法を選ぶか決めると良いでしょう。
部分矯正の期間
部分矯正の治療期間は数ヶ月から1年程度で治療が完了することが多く、すばやく終えることができます。矯正する歯の本数や使う装置によって変わりますが、基本的に軽度な乱れや隙間が対象なのでスムーズです。
ただし、部分矯正の期間中もリテーナー(保定装置)での管理が必要です。そのため、治療終了後も適切なケアを怠らないようにしましょう。
短期間とはいえ治療中のメンテナンスや定期検診は大切です。治療期間が短いからといって油断せず、定期検診を受けて満足いく治療結果につなげましょう。
部分矯正で起こるデメリット

部分矯正は手軽なイメージがある反面、特有の注意点や制限があります。以下のようなデメリットを十分に理解しておきましょう。
- かみ合わせの調整は難しい
- 矯正後に後戻りする場合がある
- 歯を動かせる制限がある
かみ合わせの調整は難しい
部分矯正のデメリットは、かみ合わせ全体の調整が難しい点です。部分矯正は対象範囲が狭く、噛み合わせのバランスを大きく変えることはできません。
特に、上下の噛み合わせのずれや顎のずれがある場合、部分矯正だけでは効果が期待しにくいでしょう。一部の歯だけを動かした結果、かえって負担がかかることもあります。
矯正後に後戻りする場合がある
部分矯正は矯正後の「後戻り」が起きる場合があります。一部の歯だけ動かした結果、動かした歯を元の位置に戻そうとする周囲組織の力が働くからです。
特に、抜歯処置をしない場合はスペースが狭く、歯が安定したポジションに固まりきらない場合があります。このため、治療後のリテーナー(保定装置)装着が重要となり、根気強く装置を使い続けることが大切です。
部分矯正は大きなズレや重度の歯列不正は根本的な解決にならない場合も。再治療になるリスクも念頭に置いた方がよいでしょう。
歯を動かせる制限がある
部分矯正では歯を動かせる範囲や方向に制限があります。移動できる歯の本数は前歯2本〜8本程度と少数です。
また、顎全体のスペースに余裕がないケースでは、十分な矯正効果を得られません。重度の八重歯や大きな出っ歯などは適応外になることもあります。
さらに、歯を動かすスペースを確保する手段としてIPRを選ぶこともありますが、IPRにもリスクがあります。エナメル質の削り過ぎは知覚過敏や歯の弱体化を招く場合があるため、担当医と十分話し合いましょう。
部分矯正のメリット

部分矯正のメリットは、手軽さと短期間で効率的に症状を改善できる点です。ここで代表的なメリットを紹介します。
矯正にかかる期間が短い
部分矯正は少数の歯だけを対象にするため、治療期間が短い傾向にあります。一般的には数ヶ月から1年以内に終了することが多く、全体矯正と比べると1/2〜1/3の期間で済むことも多いです。
部分矯正は短期間で効果を期待できるため、忙しい社会人や長時間の装置が負担になる方に適しています。また、早く終わることでモチベーションの維持にも役立つでしょう。
ただし、治療期間短縮を優先するあまり、その場かぎりの調整に終わらせてしまうケースもあります。治療を焦らず、自身の噛み合わせや将来的な歯列の安定を考慮した計画が大切です。
矯正での痛みが少ない
部分矯正は動かす歯の数も移動量も少ないため、痛みや違和感が軽減される傾向にあります。マウスピース矯正の場合はさらに痛みを抑えやすく、痛みを避けたい方に適しています。
IPRで歯を削る場合も、ごくわずかなエナメル質だけを施術するためほぼ痛みはありません。麻酔なしで行うケースが多く、大きな負担は感じにくいでしょう。
ただし痛みの感じやすさは個人差があるので、不安がある場合は事前に確認し、必要に応じたケアを行うと安心です。
費用が比較的安い
部分矯正は全体矯正に比べて治療費用を抑えられる傾向にあります。対象となる歯の本数が少なく治療期間も短いため、材料費や通院回数も減るからです。
また、IPRを活用すれば外科的処置を避けられ身体的負担も低減されるでしょう。費用を抑えて矯正を進めたい方には、部分矯正はメリットになります。
部分矯正が向いているケース

部分矯正は軽度な問題を抱えた方に検討しやすい治療法です。ここでは、部分矯正が向いている代表的なケースを紹介します。
軽微な矯正
部分矯正は、わずかな歯並びの乱れを改善するのに向いています。
- 前歯の軽いガタつき
- 前歯のわずかな重なり
- 歯の隙間を閉じるケース
重度に曲がった歯や大きなズレには向きませんが、軽度の乱れなら短期間で効果を実感しやすいです。歯の大きさ調整(IPR)を伴う場合もありますが、日常生活に支障が出ることなく整えられます。
軽い出っ歯
軽度な出っ歯であれば、部分矯正で改善が望めます。数本の前歯を調整できれば口元の印象の改善を期待できるでしょう。
軽い出っ歯の場合、IPRで少し隙間を作りながら4〜6本程度の前歯を動かす施術が基本となります。ただし、強い出っ歯のケースは部分矯正が難しいため、その際は全体矯正がすすめられます。
すきっ歯
軽度なすきっ歯なら位置を移動して閉じるだけで、満足いく仕上がりを目指せます。前歯の隙間は見た目の印象を大きく変えるため、部分矯正を行う人も多いです。
すきっ歯の場合もIPRによる微調整で隙間を減らせるため、抜歯を避けられるケースもあります。しかし、隙間が広い場合は部分矯正で隙間を埋めきれないこともあるため、治療に際しては専門医とじっくり相談しましょう。
安心して部分矯正を始めるための心構え

部分矯正はいくつかメリットがありますが、不安や疑問を抱く方もいるでしょう。安心して治療を進めるためには、治療前から医師との対話と信頼関係の構築が大切です。
ここでは、安心して部分矯正を行うためのポイントを紹介します。
事前にカウンセリングを受ける
部分矯正を行う前に、まずカウンセリングを受けましょう。矯正治療は一人ひとりの歯の状態や生活習慣により、適切な治療方針が異なるからです。
部分矯正の場合も、実際に歯科医師と対話して以下の状況を確認すると良いでしょう。
- 自分の歯並びの現状
- 治療の効果・限界
- 治療のリスク
- 費用面の詳細
例えば、IPRを行うなら実際にどのくらい歯を削るのかを確認します。保定期間がある場合、どのくらいの期間になるか確認するのも大事でしょう。
カウンセリングでは多くの質問をし、わからない部分や不安をクリアにすることが大切です。正確な情報や選択肢を示してくれるクリニックを選びましょう。
治療前のカウンセリングを無料で行う歯科医院もあります。クリア歯科でも無料カウンセリングを実施しているのでぜひご相談ください。
実績ある歯科医院を選ぶ
部分矯正は技術だけでなく、熟練したドクターの診断能力と丁寧なフォローが成功に欠かせません。実績があり、矯正特有のリスク管理も万全な歯科医院を選ぶことが重要です。
歯科医院を選ぶにあたっては、以下のようなポイントをチェックしてみましょう。
- 大学病院などの専門施設である
- 認定を受けた矯正医がいる
- 症例数や治療例を公開している
また、「患者に合わせたオーダーメイド治療を行っているか」「IPRやマウスピース矯正など最新の技術や設備を整えているか?」なども確認しましょう。口コミや紹介、初診のカウンセリングでの対応で、医院の姿勢を見極めることが大切です。
まとめ:部分矯正のデメリットを踏まえて後悔しない治療選択をしよう

部分矯正は治療期間が短くて済む、痛みが少ない、費用を抑えられるなどいくつかメリットがあります。一方で、適応範囲が限定されるため全ての患者さんに適するわけではありません。
特に、噛み合わせの微調整の難しさや、後戻りするリスクなどを正しく理解しておく必要があります。これらをクリアにしたうえで、しっかりと部分矯正を行うか考えることが満足度の高い治療につながるでしょう。
治療を検討している方は、まずは信頼できる歯科医師との相談を行いましょう。しっかりと話し合い、自身の状態にぴったりの治療法を決定してください。
情報をしっかり整理できれば、納得して矯正を始めることができます。クリア歯科でも部分矯正をはじめとする矯正治療を実施しているので、ぜひご相談ください。
1987年 九州大学第1補綴学教室文部教官助手
1989年 西原デンタルクリニック勤務
1992年 福岡県福津市(旧宗像郡)にて開業
2005年 久留米大学医学部にて学位取得(医学博士号)
2007年 九州大学歯学部臨床教授
2011年 鹿児島大学歯学部非常勤講師
日本歯周病学会 指導医・専門医
日本顎咬合学会 指導医
近未来オステオインプラント学会 指導医
日本審美歯科協会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本補綴歯科学会 会員
米国歯周病学会(AAP)会員
米国インプラント学会(AO)会員
京セラメディカルインストラクター
Japan United Colleagues(JUC) 名誉会長 OJ相談役


