歯並びが悪いと睡眠時無呼吸症候群になる!?
矯正歯科
『睡眠時無呼吸症候群』は眠っている間に呼吸が止まってしまう、非常に恐ろしい病気です。
寝ている間の出来事なので気づきにくいのですが、呼吸が止まることで睡眠の質が低下し、起きている間に強い眠気や倦怠感、集中力の低下、いつも疲れているといった症状が引き起こされます。
さらに合併症として高血圧や脳卒中などを招く恐れもあるなど、非常に注意が必要な病気ですが、この睡眠時無呼吸症候群、実は歯並びとも大きな関係があるのです。
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群は、治療が必要とされるレベルの患者さんだけでも300万人以上、軽度の症状ならそれ以上の人がかかっているとされる病気です。
食生活やライフスタイルの変化とともに増加しており、「21世紀の現代病」とも呼ばれています。
睡眠時無呼吸症候群の患者の約9割は、空気の通り道が塞がるタイプです。
肥満で首や喉回りが太ることで空気の通り道が狭くなったり、扁桃肥大、舌やのど、口の奥の部分が大きくなって空気の通り道を狭くしてしまうことが原因になります。
肥満体形だと発症しやすくなりますが、痩せていても発症する恐れがあるのもポイントです。
その理由の一つに歯並びがあります。
歯並びが悪いと口の中の容積が小さくなり、舌が喉の方へ押し出されやすくなるのです。
こうして奥に押し出された舌が喉に落ち込むことで、空気の通り道が狭まり、発症に繋がります。
睡眠時無呼吸症候群のリスク
睡眠時無呼吸症候になると、体が低酸素状態に陥ります。
この状態になると全身の血管が傷ついて体中で炎症が起こるほか、脳の認知機能にも影響を及ぼすことがわかってきました。
さらに十分な睡眠がとれないことから自律神経のバランスが崩れ、ホルモン分泌の異常などが起こるようになります。
睡眠時無呼吸症候群罹患者は、そうでない方と比べて脳卒中罹患率は3.3倍に、高血圧は2.9倍、不整脈は4倍、糖尿病は1.6倍と、リスクが高まるようです。
さらに、睡眠時無呼吸症候は発症リスクだけでなく、その後の機能回復にも悪影響を与えます。
睡眠時無呼吸症候群の対策
睡眠時無呼吸症候群の治療法は主に3つありますが、歯並びによる睡眠時無呼吸症候群に対しては、マウスピースでの治療が有効です。
これは寝る時にマウスピースを装着することで、下あごを前に出し舌が奥に落ち込まないようにするというもの。
空気の通り道を確保し、無呼吸やいびきを防ぎます。
他にも寝るときに空気を送り込むマスクを着けて寝る「CPAP療法」や、アデノイドや扁桃肥大が原因だとはっきりしている場合は手術で摘出するという治療法もありますが、睡眠時無呼吸症候群の治療の第一段階としてはマウスピースによる歯科的治療がおすすめです。
睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、昼間の突然の眠気から交通事故のリスクも高まります。
きちんと睡眠を取っているにも関わらず、寝た気がしない、昼間、眠くてしかたがない、だるいという症状が出てきたら注意しましょう。
1987年 九州大学第1補綴学教室文部教官助手
1989年 西原デンタルクリニック勤務
1992年 福岡県福津市(旧宗像郡)にて開業
2005年 久留米大学医学部にて学位取得(医学博士号)
2007年 九州大学歯学部臨床教授
2011年 鹿児島大学歯学部非常勤講師
日本歯周病学会 指導医・専門医
日本顎咬合学会 指導医
近未来オステオインプラント学会 指導医
日本審美歯科協会 会員
日本口腔インプラント学会 会員
日本補綴歯科学会 会員
米国歯周病学会(AAP)会員
米国インプラント学会(AO)会員
京セラメディカルインストラクター
Japan United Colleagues(JUC) 名誉会長 OJ相談役


