歯科コラム

硬いものを噛むと顎が大きくなるってホント?

矯正歯科
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現代人の食生活は、硬いものを噛む機会、あるいは噛むという行為そのものが少なくなっていると言われています。

また、日本人の顎が年々細くなっていることは統計にも表れていますが、どうやらこの2つが関連づけられ、「顎が細く小さくなっているのは、噛まない・柔らかいもの中心の食生活が原因だ」と言われるようになったようです。

基本的に、顎の大きさというのは遺伝をはじめ先天的要因に決定される部分が大きいのです。

もちろん、先天的要因によって全てが決まるわけではなく、後天的要因によって骨格が変化することも十分ありえます。

たとえば、栄養状態が悪い状態で育った人は、身長が伸びなやんだり、顎の大きさも小さくなります。

しかし、体の他の部位に比べ、顎はそういった後天的な影響を受けにくいようです。

 

噛むことのメリットとは?

では、よく噛むことは無意味なのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。

ものをよく噛むことによって、

・歯並びが良くなる

・噛む力が鍛えられる

・顎の骨が丈夫になる

・脳が活性化する

といった効果が期待でき、それぞれの理由は以下となります。

・歯並びが良くなる

ものを噛むことによって顎の大きさこそ変化しませんが、歯並び自体は大きくなる可能性があります。

「歯並びが大きく」と聞くと「やっぱり顎が大きくなりそう」だと思われるかもしれませんが、そうではありません。

歯並びが大きく広くなるとは、狭く乱雑に生えていた歯が本来の位置に戻るというだけのことです。

矯正治療の原理にも通じています。物理的に顎が広がって輪郭が
大きくなるわけではありません。

・噛む力が鍛えられる

硬いものを噛んだり、ものを噛む回数が増えると、噛むための筋肉(咀嚼筋)をよく使うことになり、咀嚼筋が発達します。

咀嚼筋が発達すれば、噛む力(咬合力)は強くなり、食物の咀嚼能力や消化能力も向上するのです。

・顎の骨が丈夫になる

骨の大きさこそ変わりませんが、骨が硬くなる、すなわち骨密度が高くなる可能性はあります。

噛む回数が増えたり、噛む力が強くなれば、その力に耐えられるように顎の骨も強化され骨密度も高くなるからです。

・脳が活性化する

ものを噛んだ刺激は歯や骨の神経から脳に伝わります。

こうした刺激が感知されることで、脳が活性化されるのです。

「無糖でキシリトール配合、矯正装置をつけたまま噛んでも問題ない」といった矯正治療用ガムもあるので、気になったら歯科医にたずねてみるのも良いでしょう。

よく噛んだり、硬いものを噛むことで顎が大きくなる心配はなく、現代人にはむしろメリットしかありません。

もちろん、「歯が割れるような硬さのものを食べる」といった無理をすれば、歯や歯茎だけでなく顎にも問題がでることはあります。

よく噛んで食べることで、胃腸への負担を減らし、消化・吸収の効率も上がるのです。

特に、小さなお子様をお持ちの親御さんは、子供さんによく噛んでご飯を食べるように勧めていただきたいと思います。

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