歯科コラム

マウスピース矯正は痛い?痛みを感じるときの原因と対処法を紹介

矯正歯科

マウスピース矯正を始めるにあたって、痛みに耐えられるか不安なかたも多いでしょう。

痛みの感じ方には個人差があります。極端に痛みに弱いなら、不安になるのも無理はありません。

そこで本記事では、マウスピース矯正で痛みを感じる原因、対処法などを紹介します。マウスピース矯正を始める際の参考として、ぜひ内容をご確認ください。

マウスピース矯正は痛い?

マウスピース矯正でも歯が動くときに痛みますが、ワイヤー矯正ほど強い痛みではないといわれています。痛みに弱いなら、マウスピースを使った矯正はおすすめの方法です。

ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、人によっては「痛みが強い」と感じるかもしれません。

マウスピース矯正が痛い原因

マウスピース矯正をするなら、痛みが出る原因を知っておきましょう。原因を知っておくと、痛みが出ないよう注意できる可能性があります。

痛みが出るおもな原因は次の6つです。

  • 歯が動いている
  • アタッチメントがあたっている
  • マウスピースが新しい
  • 矯正用のゴムを使っている
  • 虫歯や歯周病になっている
  • 歯に衝撃を受けた

 

6つの原因について、それぞれ紹介します。

原因1.歯が動いている

マウスピース矯正で痛みが出るのは、歯が動いているためです。歯列矯正では、歯に負荷をかけて少しずつ動かしていきます。痛みや違和感があるのなら、矯正の効果が出ているともいえるでしょう。

痛みが続く期間の目安は、新しいマウスピースに交換してから数日です。日が経つにつれて、痛みは少しずつ落ち着いていきます。

痛みが長く続くようなら、歯科医師に相談しましょう。

原因2.アタッチメントがあたっている

マウスピース矯正では、使用しているアタッチメントが原因で痛みが生じることがあります。アタッチメントとは、マウスピースと歯を密着させる目的で使用する、白い突起物です。普段はアタッチメントをつけていても、違和感はないでしょう。

ただし、マウスピースを取り外すときに、引っかかって痛みが出る場合があります。アタッチメントがあたって痛みが出る場合も、歯科医院で医師に相談してください。

原因3.マウスピースが新しい

新しいマウスピースに交換した直後は、痛みが出る可能性があります。痛みが出るのは、現在の歯並びとのズレがあるためです。ズレがあると、締め付けられるような痛みを感じます。

痛みが出る期間は2~3日程度です。基本的に、予定どおりマウスピースを装着しているなら、強い痛みは出ません。痛みが強く出ないよう、マウスピース矯正は医師の指示に従って進めましょう。

原因4.矯正用のゴムを使っている

効果を高めるために矯正用のゴムを使うと、マウスピースを新しくしたときのような痛みが出ることがあります。ゴムを使うと、矯正の効果を早めることが可能です。ただし、歯にかかる圧力が強くなるため、痛みが出やすくなります。

ゴムを使う場合も、痛みは数日で落ち着くでしょう。我慢できないほど強い痛みが出る場合は、医師に相談してください。

原因5.虫歯や歯周病になっている

虫歯や歯周病も、マウスピース矯正中に痛みが生じる原因です。マウスピース矯正を始めるにあたっては、虫歯や歯周病の治療を行います。そのため、矯正を開始する段階では、虫歯や歯周病はないはずです。

しかし、その後のケアが十分にできていないと、虫歯や歯周病になって痛みが生じるでしょう。虫歯によって歯の形や大きさが変わり、マウスピースが合わなくなることもあります。

虫歯や歯周病で痛みが出ているときは、治療が必要です。

原因6.歯に衝撃を受けた

強い衝撃も、マウスピース矯正中に痛みが出る原因のひとつです。

マウスピース矯正中の歯には、大きな負荷がかかっています。そのため、普段よりも刺激に弱い状態です。

  • マウスピースを外しているときに強く歯を噛んだ
    硬いものを食べた
  • 上記のような理由で衝撃を受けると痛みを感じる可能性があります。

マウスピース矯正が痛いときの対処法

マウスピースによる矯正中に痛みがあるときの対処法を紹介します。考えられる対処法は次の4つです。

  • 痛み止めを飲む
  • 治療を行う
  • マウスピースを戻す
  • 硬い食べ物を控える

 

対処法についてもひとつずつチェックしてみましょう。

鎮痛剤を飲む

我慢できないくらい強い痛みがあるのなら、鎮痛剤を飲む方法があります。ただし、歯の動きを抑える作用を持つ成分が含まれている薬もあるため、市販薬の服用には注意が必要です。また、頻繁に鎮痛剤を服用すると、胃腸に負担がかかってしまいます。

痛みが強いときは、まず歯科医院で医師に相談して、適切な鎮痛剤を処方してもらいましょう。クリニックで処方された鎮痛剤を、指示どおりに服用してください、

治療を行う

虫歯や歯周病による痛みがあるときは治療が必要です。マウスピース矯正は一時的に中断して、治療を優先しましょう。なぜなら、虫歯や歯周病がある状態だと、矯正による痛みが強くなってしまうためです。虫歯・歯周病で歯や歯茎の形が変わると、マウスピースが合わなくなります。

  • 歯茎が腫れている
  • 歯に痛みがある
  • 口臭がする
  • 飲み物がしみる

上記のような症状があるなら、虫歯や歯周病の可能性があります。我慢せず、早めに歯科医院で治療を受けましょう。

マウスピースを戻す

新しいマウスピースに交換して痛みが出ているのなら、ひとつまえのものに戻すという方法があります。ただし、交換による痛みが続くのは数日です。我慢できないほどの痛みでなければ、そのまま新しいマウスピースを使用しましょう。

マウスピースを戻したいときは、医師に相談してみてください。

硬い食べ物を控える

マウスピース矯正中は、なるべく硬い食べ物を控えましょう。矯正中は、歯や周辺の組織が敏感な状態です。そのため、硬いものを食べると、痛みが出やすくなります。

特に新しいマウスピースに変えた直後は、硬い食べ物を避けておくと安心です。おかゆや煮込み料理など、柔らかい食べ物を選びましょう。

マウスピース矯正で痛みがあるときの注意点

痛みがあっても、自己判断で対処するのはNGです。まずは医師に相談してみる必要があります。痛みがあるときの注意点も紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

マウスピースを外したままにしない

痛みがあっても、マウスピースを外したままにするのはやめましょう。歯列矯正中の痛みの多くは、歯が動いていることで生じます。自己判断でマウスピースを外すと、歯がもとの状態に戻ってしまうかもしれません。

痛みがあるときは、まず医師に相談してみましょう。

歯や歯茎に刺激を与えない

マウスピース矯正中に痛みを感じても、歯や歯茎に刺激を与えないよう気をつけましょう。歯に痛みや違和感があると、つい気になってしまうものです。だからといって触ってしまうと、痛みが強くなってしまいます。

また、痛みがあるときに冷やしたり温めたりするのもNGです。冷やすと血流が悪くなり、矯正が進まなくなってしまう可能性があります。温めると血流がよくなり、痛みが強くなるでしょう。

痛みがあるときは、なるべく刺激を与えないよう注意してください。

マウスピース矯正での痛みを予防するためのポイント

マウスピース矯正をするのなら、痛みへの対処法だけでなく、予防方法もチェックしておきましょう。マウスピース矯正で痛みを予防するためのポイントには、次のようなものがあります。

  • 装着時間を守る
  • 食事のときはマウスピースを外す
  • 口内やマウスピースのケアを徹底する

 

代表的な痛みの予防方法についても、ひとつずつ紹介します。

装着時間を守る

痛みを予防するためにも、マウスピースは医師の指示に従って装着してください。マウスピース矯正では、1日20~22時間以上マウスピースを装着する必要があります。食事と歯磨きのとき以外は、ほぼマウスピースを装着していなくてはなりません。

装着時間を守らないと歯が動かず、新しいマウスピースに交換したときに痛みが出る可能性があります。スケジュールどおりに矯正を進めるためにも、装着時間は必ず守りましょう。

食事のときはマウスピースを外す

マウスピース矯正をするのなら、痛みを防ぐためにも食事のときにはマウスピースを外しましょう。マウスピースをつけたままの食事には、次のようなデメリットがあります。

  • 咀嚼によってマウスピースが変形して痛みの原因になる
  • マウスピースが変色する
  • 食べ物のカスが入り込んで虫歯や歯周病につながる

慣れてくると、食事のたびにマウスピースを外すのが面倒だと感じられるかもしれません。面倒でもデメリットが多いため、食事のときはマウスピースを外しましょう。

口内やマウスピースのケアを徹底する

マウスピース矯正を行うなら、食後は必ず歯磨きをしましょう。歯磨きをしないと、虫歯や歯周病になるリスクが高くなるためです。時間がなく歯磨きが難しいなら、マウスウォッシュを使う方法もあります。虫歯や歯周病を防ぐために、口内のケアを徹底してください。

また、マウスピースのお手入れも必要です。食事や歯磨きでマウスピースを外したら、洗浄しましょう。マウスピースの洗浄には水道水を使用します。変形する原因になりますので、マウスピースを洗浄するときは、熱湯の使用は避けてください。

マウスピース専用の洗浄剤を使う方法もおすすめです。市販品ではなく、歯科医院で推奨している洗浄剤を使いましょう。洗浄したあとは乾燥させると、雑菌の繁殖を防げます。

マウスピース矯正で痛みがあるのなら医師に相談

歯列矯正では、歯に負荷をかけて移動させていきます。ワイヤー矯正ほどではないとされていますが、マウスピース矯正でも痛みを感じることがあるでしょう。

虫歯や歯周病による痛みは治療が必要です。鎮痛剤を使うなら、矯正に支障が出ないものを選ぶ必要があります。

マウスピース矯正で痛みを感じたら、まずは医師に相談してみてくださいね。

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